【2024年度「ツール・ド・ラヴニール」男子が不出場に至った経緯のご説明】

【2024年度「ツール・ド・ラヴニール」男子が不出場に至った経緯のご説明】

ロード・トゥ・ラヴニール(RTA)およびRTAの最重要レースであるU23選手版ツール・ド・フランス、「ツール・ド・ラヴニール(UCI2.Ncup)」(=原則ナショナルチームのみが出場可能)の出場に向けてご支援頂いている皆様にお詫びとご報告がございます。

2023年は、ナショナルチーム派遣元である日本自転車競技連盟(JCF)から業務を受託し、クラウドファンディング、スポンサー様、後援会様のご支援により、日本のトップU23選手に世界トップと戦う舞台を提供することができました。その模様はTVで放映され、多くの選手、自転車ファン、スポーツファンが「世界との距離」を赤裸々に感じ取ることができたと自負しております。

本年2024年度も前年度の受託実績を踏まえ、出場に向けて様々な準備(クラウドファンディングの立ち上げ、スタッフの手配など)を進めて参りましたが、5月に入りJCFより、”本年度は当該活動をRTAが受託出来ない”事を知らされ、RTAとしての当該活動の受託準備を中断し、JCF主導のツール・ド・ラヴニール参加実現を切望しておりました。

しかしながら今年のツール・ド・ラヴニール男子については、代表チームの派遣を実施しないというJCFの意向を知り、大きな衝撃を受けているところです。

派遣しない理由は知る限りではありませんが、今もなお意向が好転し参加が実現されることを切望しております。 今回このような状況になってしまった事では、RTAとしても力不足を痛感しております。目標としていた選手の皆様、ご期待頂いていた皆様に深くお詫び申し上げます。

■経緯詳細:
 <~2023年まで>
元々ロード・トゥ・ラヴニール(RTA)というプランは、現RTAの代表である浅田顕が日本自転車競技連盟(以下JCF)強化コーチの立場であった際、日本の『ロード競技強化戦略プラン(当初はラヴニール・プロジェクトと仮称)』としてJCFへ提案したものです。 
浅田顕は2021年の自国開催の五輪で強化コーチの役割を終え、自身が運営する民間チーム「エキップアサダ」の活動に戻り選手育成とその先の挑戦を目指していましたが、五輪後は公的なロード強化費の大幅な減少が予測され、次の強化プランも後継者も決まらない中、浅田としては状況を放置する事ができませんでした。 

この『ロード強化戦略プラン』は2022年3月にJCFから日本オリンピック委員会(JOC)に対する予算申請のために提出が必要なものでした。2021年11月頃からJCF内のロード競技専門部会である「JCFロード部会」で提案と修正を重ね、期限内にJCFからJOCへ正式なプランとして提出されたという認識でした。
しかし、その後JCF内では“正式に承認されていない”という理由で外部発表が断られました。結果として、JCF内で承認されていない強化戦略プランが提出期限切れを避けるためにJCFからJOCへ提出されていたことになります。

その後、JCF関係者に何度もかけ合い必要な手続きで承認を得る努力を重ねましたが、会議の度に承認依頼は差し戻され、2022年10月までに承認を得ることができませんでした。 そこで、元々はJCFのロード強化戦略プランとして構築したRTAプロジェクトをJCFではなく、まずは民間プロジェクトとして発足させることを決断し、2022年12月にRTAプロジェクトを正式に発表しました。
なお、JCFプロジェクトから民間プロジェクトに移行するにあたり「国際大会への派遣」という活動内容を「日本代表チームサポート」と変更せざるを得ませんでした。 また、JCFに承認されないプロジェクトをJCFコーチの身分で実施する訳には行かず、やむなく2023年2月にJCFコーチを退任しました。

RTAプロジェクトの目標はプロ契約選手の輩出であり、その道筋での登竜門となるU23選手の世界最高峰大会ツール・ド・ラヴニールへの挑戦は最重要な活動です。2023年のツール・ド・ラヴニール参加は「遠征費はJCF連盟強化費を使わない」ことを条件にJCF承認を退任前に取り、クラウドファンディングを中心に活動費を集め、男女揃って参加し好評価を得ました。

 RTAの活動はツール・ド・ラヴニールへの参加がすべてではなく、RTAパスウェイ(道筋)のPR、タレント発掘、ユースキャンプ、タイムトライアル(TT)テスト、欧州レース活動へとつなげる道筋です。2023年は各活動規模と回数は限られましたが、一通りの活動を実践することができました。

 <2024年の「ツール・ド・ラヴニール」参加に関して>
 2023年夏のツール・ド・ラヴニール出場実績とその活動を伝えた各メディア様のご協力により、若手選手からはツール・ド・ラヴニールを目指したいという声が聞かれるようになりました。
これはロードレースにおいての世界標準のパスウェイを認識してもらう上でも成果の一つと言えます。 

2024年のロード日本代表チームの活動方針については、前年同様「ツール・ド・ラヴニール」を含む代表遠征を受託させていただける可能性も含め、2023年末よりJCFロード部会へ問い合わせておりました。
しかし、本来代表チームの遠征は外部からの提案で進めるものではなく、連盟の方針に従って計画されるものであるため、5月まで回答を待っておりました。回答が無いまま5月も後半に差し掛かったところで再度JCFに対して質問をしたところ、今年の「ツール・ド・ラヴニール」については参加の方向で検討するが、外部委託を前提とする考えはないという回答を得ました。
その結果、RTAとしては今年の「ツール・ド・ラヴニール」への“JCF日本代表チーム”の派遣を外部より応援する立場となった次第です。

<RTAとしての2024年夏期の欧州活動について>
現状を受け入れ直ちに必要な行動を検討した結果、RTAとしまして、今回はRTAの重要な活動の一つである「選抜チームでの欧州レース参戦」へ全力を注ぐことで、次期の優秀な日本代表選手の育成に取り組ませていただく事と致しました。

今後も日本がロード競技で世界と肩を並べるために一生懸命活動を続けて参りますので、皆様には引き続きご理解とご支援を賜ります様お願い申し上げます

2024年6月6日
RTA/ロード・トゥ・ラヴニール一同