1月20日 RTA集団走行安全講習会レポート

レース開幕を前に100名の集団走行を体験!



ロードレースの基本は集団走行です。2月から始まる本格的なロードレースシーズンを前に、そして初めてロードレースに参加するユース選手もいる中、ロード・トゥ・ラヴニールでは本来の役割より大きく入り口を広げ、集団走行の基礎技術を学び体験する講習会を実施いたしました。今回特に受講が必要なターゲットとしたユース層の選手の参加は非常に少なく、開幕に向けての不安が膨らんでしまいましたが、一方大学生や国内トップのエリート選手、次世代トップトライアスリートやナショナルコーチの参加もあり、選手個々の安全な集団走行に対する意識が伺えました。

一般公道ではできない集団走行を国営武蔵丘陵森林公園で実施


日本の道路では自転車が並走する事は許されておらず、集団走行のトレーニングを行う環境が少ないです。選手によってはレースが最初の本格的な集団走行となる事が殆どで、特に春先のレースでは砂ぼこりが巻き上がるような大きな集団落車が頻発します。今回の講習会では国営武蔵丘陵森林公園のご理解とご協力により、一部コースを占有使用し講習会を実施しました。森林公園のサイクリングコースは道幅が3~5メートルと細く、さらには常にカーブが繰り返され、集団走行をするには少々神経を使うコースですが逆に制限された道幅での集団走行の技術向上には適しています。

2017年日本チャンピオンの畑中勇介選手が技術指導

国内外での自らの長いレース経験を活かし集団走行技術上達の重要性を説明する畑中選手

レース中、集団の中で何を見ているか、どう動いているかなど走りながら参加者へ的確なアドバイスを送る畑中選手。


技術⇒マナー⇒余裕で「自分の身は自分が守る」

今まで国内外のレースで多くの選手たちをサポートさせていただきましたが、初めての海外ロードレースのローリングスタートで転倒し終わってしまう選手、集団に入れず最後尾にしか位置取りを出来ず展開に加われない選手、オーバースピードでコーナーをコースアウトする選手、体力に余裕がなくなり前方不注意で転倒する選手、集団走行に慣れていても密集した激しい位置取り争いで弾かれ路面にたたきつけられる選手など。レースはレベルが上がり技術力が上がっても落車が減るという単純な傾向にはありません。初心者では、純な技術不足、国際レースでもマナーの悪さや注意不足、技術力の高いプロレースでさえ勝負のプレッシャーからミスが生じます。だから簡単な事ではありません。


講習会は座学+実走で構成されている

講習会はオンラインによる座学で、注意点や集団の構造などを学ぶことから始まりました。

最後はローリングスタートを想定した100人の集団走行を体験

最後は講習会のゴールとなった100人の集団走行を体験し講習会を締めくくりました。選手一人一人が集団走行に対する意識と技術を高めてレースに参加してほしいと強く願っています。そして素晴らしいこのスポーツでの次世代タレント発掘においても、この競技の魅力や信用を高めて行く為にも、この手の講習をユース選手の必須科目として、各指導者の方々に受け入れられる必要があると思います。実施にご協力を頂きました皆様へ深くお礼申し上げます。